はかた地どり美味しい理由
はかた地どりが美味しいの理由のひとつは、“血統”です。国内の在来種(昔からいる地鶏)の中で最も美味だといわれている軍鶏(シャモ)とうまみ成分であるイノシン酸を多分に含むサザナミを祖父母に持ち、これに肉付きのよい白色ブリマスロックをかけあわせて生まれたのが、“はかた地どり”です。非常に旨みがある味わいが特徴で、サクっとした歯切れで噛むほどにうま味が溢れ、水炊きやがめ煮(筑前煮)だけでなく、唐揚げやソテーにも合う肉質です。
はかた地どりのはじまり
現在、福岡の鶏肉料理として名高い「がめ煮(筑前煮)」や「水炊き」。しかし、国内で鶏肉の生産が盛んになった昭和50年代後半、「がめ煮が美味しくない」、「最近の鶏肉は肉質が柔らかく皮と身が剥がれて水炊きに向かない」という声が上がった時期がありました。そこで、福岡県農業試験場は、福岡の郷土料理をおいしく味わう為の鶏肉の開発に着手しました。約3年の試行錯誤を経て、昭和62年、福岡を代表する地鶏、“はかた地どり”を開発したのです。
開発メンバーは、福岡県内で軍鶏を探したところ無敵の大軍鶏を発見し、開発のために譲ってほしいと日参するも、門前払い。ところがある時、この大軍鶏は鶏の闘いで片目を失ってしまいました。そのことを知った開発メンバーは、再度頼み込み、譲ってもらうことが決定しました。これが、はかた地どり誕生の第一歩だったのです。
開発から20年、新たな“はかた地どり”の誕生
昭和62年に開発された“はかた地どり”は当初の計画を大きく上回り大ヒット商品になりました。しかし、開発から20年が経過すると消費者の嗜好が変化し、「むね・もも肉のうま味成分を上げ、もう少しやわらかくしてほしい」という要望が高まってきました。 そこで福岡県農業総合試験場は、平成19年度から3年をかけて改良に着手し、さまざまな鶏を組み合わせて試験を行うなかで、福岡で昔から飼われてきた鶏「サザナミ」を交配に加えることでむね・もも肉が柔らかくなり、うま味も増すことを解明し、平成22年に新たな“はかた地どり”が誕生したのです。
福岡の食文化を代表する鶏料理
江戸時代にはじまった、福岡の鶏肉を好む食文化は、今も確実に受け継がれています。
鶏肉と根菜類を炊いた「がめ煮(筑前煮)」はお正月やおまつりには欠かせない料理ですし、「水炊き」は福岡を代表する鍋料理、うどん屋さんには必ずといっていいほど「かしわめし」があります。さらに人口10万人あたりの「焼鳥/鶏料理」の軒数は福岡県が全国第1位。そんな福岡県だからこそ、こだわりの地鶏“はかた地どり”が生まれたのです。